吉高由里子が語る『光る君へ』第37回:母娘の複雑な絆とその修復の難しさ

吉高由里子が語る『光る君へ』第37回:母娘の複雑な絆とその修復の難しさ

吉高由里子が『光る君へ』第37回の感想を語る

俳優の吉高由里子さんが、NHKの大河ドラマ『光る君へ』の第37回について、公式ホームページの企画「君かたり」で感想を語りました。この企画では、注目シーンを撮り終えたキャストが現場での撮影シーンや演じる人物への思いを語る内容となっています。

久しぶりの為時邸への帰還

まず、まひろ(紫式部)が久しぶりに父・為時の家に帰った心境について語りました。

「私的には快適だったけどね(笑)。長袴もないからセットの中にずっといることもなく自分で外に出ていけるという自力の素晴らしさ。助けてもらう素晴らしさも感じてはいるけど、自力で動ける素晴らしさに羽が生えそうな日でしたね」

この言葉から、まひろが自由に動ける喜びと、同時に自立の重要性を感じていることが伝わります。長時間の撮影の中で、自身の役割を深く理解し、その役割を通じて自身の感情を表現している様子が伺えます。

娘・賢子との再会

次に、娘・賢子(梨里花)との関係について言及しました。

「もちろん母として寂しいし会いたいし、という気持ちもあったかもしれないけれど、藤壺にあがる時にああいう別れ方をしてしまって、どこから縮めていいか分からない関係性のまま出て来ちゃった、という感じもあって、会いたい気持ちよりもやっぱりドキドキはしていたと思いますね。何から話そうかとか、相手も会いたいと思ってくれていたらいいなと思って帰ったと思うんですけど。でもね、しょっぱなからああいう感じになってしまって。そんな1000年前からあるんですかね、反抗期って(笑)と思ったけど」

このシーンでは、まひろと賢子の間にある微妙な距離感が描かれています。母として娘を心から思いやる気持ちと、同時に娘との関係性の修復に向けた不安が交錯している様子が伝わります。吉高さんは、このシーンを通じて、母娘の複雑な感情を丁寧に表現しています。

距離ができた状況の冷静な分析

さらに、まひろと賢子の距離ができた状況を冷静に分析しました。

「為時さんが『おまえによく似ている』と言ってくるし、自分でも自分を見ているようで、ちょっと昔を思い出すような気持ちで『悪かったな』という気持ちも出てくると思うし、それは大人になってから気付く。みんなそうだと思うんですけどね。でも、やっぱりさみしい気持ちがお互いの距離を離しちゃった関係性だなって思うんですよね。賢子もさみしかったのにとか。『帰れなくてごめんね』とは言ってはいたけど、その寂しいが埋められる時間の密度もなかったし、コミュニケーションの距離感とかもない。いきなり『Yeah!Hey,bro!』みたいな感じも無理じゃないですか(笑)。ギューって、まひろも『ごめんね』とギュっとしてあげられたら良かったんだけど、そうもいけないタイプなんだろうね、まひろもね。お互いのさみしさが2人の再会の溝が埋まらなかった感じになってしまった日かなとは思うんですけど」

この言葉から、まひろと賢子の間にある深い寂しさと、それを埋めるためのコミュニケーションの難しさが感じられます。吉高さんは、このシーンを通じて、母娘の複雑な感情を丁寧に表現し、視聴者にその心情を深く伝えることに成功しています。

結び

吉高由里子さんの言葉から、『光る君へ』の第37回は、まひろと賢子の再会を通じて、母娘の複雑な関係性とその修復の難しさが描かれていることがわかります。このシーンは、1000年前の平安時代の物語でありながら、現代の親子関係にも通じる普遍的なテーマを扱っており、視聴者に深い共感を呼ぶことでしょう。吉高さんの演技力と深い洞察力が、このシーンをより一層引き立てています。