新庄剛志監督の去就:CSの結果がカギ、続投か勇退か
日本ハム・新庄監督の去就が注目される
日本ハム・新庄剛志監督(52)の来季去就が日増しに関心を高めている。すでにリーグ2位でのクライマックスシリーズ(CS)出場が確定し、新庄監督が開幕前に掲げた「最低でもCS進出」という目標を達成したため、来季も指揮を執ることが既定路線ともいえる。球団側も続投を要請したい考えだが、その決断は新庄監督自身に委ねられている。
本拠地最終戦での熱い呼びかけ
29日の本拠地最終戦となったソフトバンク戦(エスコン)後のセレモニーで、新庄監督は3万7000人を超える超満員のファンを前に、「僕たちは日本一しか今、考えていません。ドラマ『大航海』、ここからが一番楽しいです。みなさん、僕についてきてください。」と絶叫しながら呼びかけた。この言葉は、ファンの心を捉え、チームのさらなる飛躍への意気込みを示すものとなった。
新庄政権の3年間
新庄政権は昨季まで2年連続で最下位に低迷していた。しかし、新庄監督の手腕により、選手を育て上げ、3年目にして見事に花を咲かせた。普通に考えれば、チームを再建させた指揮官の続投は自然の流れといえる。しかし、新庄監督はCS進出を決めた直後の26日に、「まださっぱりビジョンが浮かんでこないですね」と苦笑い。ポストシーズンを含めた全試合が終わった後に決断することを明かしていた。
「電撃勇退説」の浮上
この発言により、一部では「すでに目標だったCS進出を決めたのだから今後どんな結果でも勇退するのでは」との「電撃勇退説」もささやかれている。しかし、現状では新庄監督本人も含めて全くの白紙だという。
球団側の姿勢
球団人事に携わる関係者の一人が実情をこう話す。
「我々(球団側)は低迷続きだったチームをわずか3年でリーグ優勝争いができる集団に育て上げた功績を踏まえて、新庄監督にすでに続投要請を試みています。しかし、新庄監督本人が熟考しているのです。決して辞めることが前提ではなく、本人自身がこのまま続けるべきか、新たな道に進むのかで悩んでいるようなのです。我々はその思いをくんで本人からの回答を待っているというのが現状です」と明かした上で、「そう考えると新庄監督の去就は球団主導ではなくあくまで本人次第。今後のプレーオフの結果を待たないと本当にどうなるか誰にも分からないと思います」と語った。
新庄監督の監督業への思い
新庄監督は以前から監督業について「同じ仕事を長くやりたいとは思わない」と言い切ってきた。「俺はやっぱり新しいことがやりたくなるから。同じ仕事なら長くても…3年ぐらいかな。やりがいがあるなら話は変わるけど」とし、「WBCの(日本代表)監督とかは俺には絶対無理。だって弱いチームを強くするのは楽しいけど、強いチームの監督は何もやることがないしつまらない。やるならまず最初に(チームを)ぐちゃぐちゃにしてから。まあでも、それ(日本代表監督は)ないだろうけどね」と笑い飛ばしていた。
CSの結果がカギ
新庄監督の去就はCSの結果がカギを握りそうだ。新庄監督の心はどちらに傾くのか。ファンや関係者の注目が集まる中、新庄監督の決断が待たれる。