竹田麗央、破竹の勢いで米国進出!ビッグタイトル制覇へ挑む
小暮博則プロは、「いやあ、強いですね」と驚きの声を上げた。大会史上最長のコースで、10センチ以上の深いラフと砲台グリーンが選手たちを苦しめた中、唯一2桁アンダー(通算10アンダー)で優勝したのは21歳の竹田麗央だ。
4月のツアー初優勝からわずか7勝目を挙げ、畑岡奈紗が2019年に達成した日本女子プロ、日本女子オープンの2冠も獲得した。今季はまだ8試合が残っており、2003年の不動裕理が記録した年間最多勝(10勝)の更新も視野に入っている。
小暮プロは、「これだけ強いと、やっぱり世界で戦う姿を早く見たいですよ」と語る。竹田の破竹の勢いと潜在能力について、小暮プロは次のように説明する。
「4月の初勝利からもう7勝です。潜在能力はすごいものがある。竹田のスイングの特徴は、フォロースルーで左ヒジが右ヒジより高いこと。普通は右ヒジが左ヒジの上にくる。竹田は胸椎などが柔らかいので、前傾をキープしたまま左ヒジを引き上げることができる。そのため、クラブを振ってもフェースをスクエアに保つことができ、ボールがあまり曲がらないのです。
左へのシフトによるスイングでリズムが一定ということも大きい。米女子ツアーには今季、9人の日本勢が参戦していますが、竹田はその9人とは異なるタイプの選手で、飛んで曲がらないのが魅力。これだけ勢いがあってスケールが大きい竹田が米国でプレーする姿は多くのファンが望んでいるはずです」
ただし、小暮プロは注意点も指摘する。
「米国は国土が広いため、コースごとの芝質が大きく変わり、アプローチのウエッジコントロールに時間がかかる。日本ではクラブの重さで打てるが、芝に粘りのある米国ではヘッドを加速せざるをえない。ビッグタイトルが狙える器なので、早く米国へ行って慣れて欲しいです」
来季の米女子ツアーに参戦するには、10月8日時点の世界ランキングが75位以内であれば2次予選が免除され、最終予選会(12月5~9日、米アラバマ州マグノリアグローブGC)から出場できる。竹田は現在30位で問題ない。この日、竹田は「複数年シードが取れたので、今年予選会に行ってもいいかなと思っていますけど、締め切り(10月8日)ギリギリまで考えます」と語った。早く準備をするべきだ。