ウ・ドファン主演「朝鮮弁護士」: 痛快ロマンスと天才弁護士の華麗なる活躍

ウ・ドファン主演「朝鮮弁護士」: 痛快ロマンスと天才弁護士の華麗なる活躍

ドラマ「ブラッドハウンド」(2023年)で演技力の高さを示したウ・ドファンが主演を務める時代劇「朝鮮弁護士」(2023年)が、10月1日(火)からCS放送「衛星劇場」で放送される。このドラマでは、頭脳明晰で弁が立つ一方、トラブルばかり引き起こす外知部(朝鮮時代の弁護士)カン・ハンスを演じる。

「朝鮮弁護士」は、百戦錬磨の外知部カン・ハンスが親の仇を討つため、権力者に挑んでいく痛快法廷ロマンス時代劇。あらゆる法に精通し、一度読んだ文章は忘れないハンスは、勝ちにこだわる外知部として、訴事を起こしてはたくみな弁舌で勝訴をもたらす日々を送っている。彼の夢は、両親を殺した敵に復讐を遂げ、漢陽に名をとどろかす外知部になること。憧れの地・漢陽にやってきたハンスは、正義感の強いヨンジュに振り回されながらも、外知部らしく敵に訴事で復讐し、徐々に追い詰めていく。

ウ・ドファンは1992年7月12日生まれの32歳で、2016年のドラマ「ウチに住むオトコ」で初めて役名をつかんだ。その後、2017年の「マッド・ドッグ~失われた愛を求めて~」でストーリーのカギを握る青年ミンジュンを好演し、年末の「KBS演技大賞」新人賞を受賞。確かな演技力で一躍人気俳優に躍り出た。2023年の「ブラッドハウンド」では、サラ金の世界に足を踏み入れた愚直な青年ボクサーを熱演し、イ・サンイとのブロマンスや鍛え上げられた肉体にも注目が集まった。

「朝鮮弁護士」は、ウ・ドファンにとって除隊後復帰作であり、「私の国」(2019年)以来2度目の時代劇。彼は「並ぶ者のない天才にしてお調子者でトラブルメーカー」という、ほかではお目にかかれないクセ強キャラを作り上げた。

本作の魅力の1つは、ウ・ドファン演じるクセ強キャラ・ハンスが巻き起こすコメディ要素。やくざ者たちに追われて逃げてきた男をロバ小屋にかくまったかと思えば、追ってきたガラの悪い男たちを一目見て肩をすくめ、何食わぬ顔で小屋からロバを連れ出してしまう。おかげで、ロバの陰に隠れていた男が外から丸見えに…。日和見主義でお調子者なキャラクターを、コミカルかつ愛嬌たっぷりに演じている。

しかし、外知部としては超一流のハンス。漢陽に来て初めての訴訟では、相手方の外知部が持ち出した判例を奪って「この判例は朝鮮ではなく明国のものだ」と反論。「朝鮮の国法を信じるのか、それとも明国の判例を信じるか」と演説し、圧巻の説得力で逆転勝ちを決めた。こうしたスカッとする訴訟シーンも本作の見どころ。ハンスが普段見せるヘタレなお調子者キャラと、訴訟シーンで見せる圧巻の弁舌、堂々とした外知部っぷりのギャップがたまらない。

ストーリーが進む中で、ハンスとイ・ヨンジュのロマンスも徐々に深まっていく。正義感あふれる彼女にとって、勝つためには手段を選ばず弁護料もしっかりとっていくハンスの第一印象は最悪。カネの亡者と毛嫌いするが、たびたび顔を突き合わせるうちに、特別な思いが芽生えていく。後半、ハンスの命を救うためヨンジュが望まぬ結婚を承諾しようとする場面では、結婚の話を知ったハンスが「やめろ!私が許さない!」とヨンジュを引き留める。普段はヨンジュをからかったり調子のいいことばかり言ったりするハンスが、別人のように真摯な表情でまっすぐにヨンジュを見つめ、優しくキスするシーンは本作きってのロマンチックな名シーンだ。この時のハンスの表情は、お調子者ともかっこよく勝訴を決める外知部としての顔ともまた違っていて、ウ・ドファンの演技の幅に驚かされる。

ハンスを中心に、笑えて、スカッとできて、キュンも詰まった本作。VIXXのエンことチャ・ハギョンが、ハンス&ヨンジュと三角関係を繰り広げる役人ユ・ジソン役で存在感を発揮。ヨンジュに思いを寄せる切ない役どころを好演している。また、徐々に明かされていくハンスの壮絶な過去が、本作に緊張感を与えている。

ウ・ドファンは、プライベートの写真をInstagramでアップすることも多く、今や600万人近いフォロワーを集めるスターの一人となった。主演時代劇「朝鮮弁護士」は、ウ・ドファンの多彩な魅力が味わえる快作だ。