「大谷翔平50号ボール争奪戦」新参者登場、所有権を巡る法廷闘争激化

「大谷翔平50号ボール争奪戦」新参者登場、所有権を巡る法廷闘争激化

ドジャースの大谷翔平投手(30)が史上初の「50本塁打―50盗塁」を達成した50号のホームランボールを巡り、新たに3人目の男性が訴訟を起こしていることが分かった。ロサンゼルス・タイムズ紙が30日(日本時間1日)に報じた。

9月27日(同28日)に訴えを起こしたのは、フロリダ州ブロワード郡在住のジョセフ・ダビドフ氏(32)だ。ダビドフ氏は、米競売会社ゴールディン、同社に記念球を持ち込んだクリス・ベランスキー氏とケルビン・ラミレス氏、そして25日(同26日)に所有権を主張して訴えたマックス・マトゥス氏らに対し、自分がボールの正当な所有者であることを主張し、オークションでの売却を禁じる差し止め命令と5万ドル(約717万円)を超える損害賠償金を求めてフロリダ州第11司法巡回裁判所に訴状を提出した。

訴状によると、ダビドフ氏は左手で50号記念球を手に入れた直後、身元不明のファンが不法に手すりを跳び越え、彼の腕に飛び乗って攻撃したため、ボールが外れ、ベランスキー氏の手に転がり落ちたという。ダビドフ氏の弁護士デボン・ワークマン氏は、「依頼人は誰かに飛びかかられ、地面に投げ飛ばされた。この件は2001年のバリー・ボンズの73号ボールを巡って行われた裁判『ポポフ対ハヤシ』と非常によく似ている。依頼人は最初にボールを持っていたが、地面で暴行を受け、ボールを失った。彼はボールの正当な所有者だった」と強調している。

一方、ボールを巡ってファンらが駆け寄っている瞬間を撮影したファンの動画には、青と白のストライプシャツを着たダビドフ氏が、ボールを持ったベランスキー氏と笑顔で握手をする場面が映っている。ワークマン弁護士は、「その行動はアドレナリンと歴史的瞬間による行動」と説明している。

大谷の50号記念球については、ボールを手にして持ち帰ったベランスキー氏がドジャースからの30万ドル(約4300万円)の買い取りオファーを断り、ゴールディン社を通じて競売にかけた。しかし、18歳のマトゥス氏がボールを強奪されたと主張し、ベランスキー氏、ラミレス氏、ゴールディン社を相手に訴えを起こし、オークションの売却開始を阻止するため、緊急仮差し止め命令を申請した。

スペンサー・エイグ判事は米東部時間9月27日正午(同28日午前1時)から予定通り入札を開始し、16日(同17日)に締め切ることを認めたが、「原告の申し立てに対する裁判所の判決が出るまで、50号の記念球を販売、隠匿、譲渡することはできない」と申し渡した。審理は10日(同11日)に行われる予定となっている。前人未到の記念球を巡り、4人目、5人目の所有者が現れるかもしれない。さらにカオスになりそうだ。