「NBAの均衡を崩す共演は不正行為だ」元選手シャンパートがレブロン&カリーのチームメイト化に反対
レブロン・ジェームズとステフィン・カリーは、今夏のパリ五輪で好連携を見せ、金メダルを獲得した。現地時間10月3日(日本時間4日)、米スポーツ専門局『ESPN』は、16日から新たなドキュメンタリーシリーズ『Taking One for the Team』を放映することを発表した。
新番組のホストに任命されたのは、ポッドキャスト番組も手がけるイマン・シャンパート(元ニューヨーク・ニックスなど)。34歳の元NBAプレーヤーは、ドキュメンタリー番組の放送に先駆け、米メディア『Clutch Points』の単独インタビューに応じた。
シャンパートは2011年から2021年までNBAで10年間プレーし、レギュラーシーズン通算461試合で平均7.2点、3.3リバウンド、1.8アシスト、1.1スティールを記録。プレーオフでは79試合出場し、特にクリーブランド・キャバリアーズ時代が印象深い。レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、カイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)、ケビン・ラブ(現マイアミ・ヒート)のチームメイトとして、2015年、16年、17年に3年連続でNBAファイナルに進出し、16年にはキャブズの球団初優勝に貢献した。
当時のファイナルでは、ゴールデンステイト・ウォリアーズと対戦。ステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンに加え、クレイ・トンプソン(現マブズ)、2017年にはケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)も加わった超豪華チームと4年連続で対決した。
今季でキャリア22シーズン目となる39歳のレブロンと、16シーズン目となる36歳のカリーは、依然としてリーグトップレベルの実力を持つ。今夏のパリ五輪では、アメリカ代表の一員として共演し、金メダルを獲得した。
彼らがキャリア終盤にいるため、「2人が同じチームでプレーしたらどうなるのか?」、「1シーズンでいいから同じチームで見てみたい」とNBAでの共闘を望むファンもいる。しかし、シャンパートは「共演しない方がいい」との見解を示した。
「あの2人に知らせているよ。一緒になっちゃダメだってね。チームUSAであの2人が一緒になって、僕らは楽しんだし喜んだ。(でもNBAで)それはやっちゃいけない。クールじゃないよ。彼らには最大の好敵手であってほしい。そういうことさ」
レブロンはレイカーズの看板選手かつ最重要選手で、カリーもウォリアーズのフランチャイズプレーヤー。2016年夏にデュラントがウォリアーズ入りしたことを引き合いに出し、シャンパートは次のように語った。
「KD(デュラント)がすでに破滅させたじゃないか。ステフと一緒になったことで好敵手ではなくなってしまった。あれがみんなを傷つけたんだ。ブロン(レブロン)、それはやっちゃいけない。もう僕らを傷つけないでくれ。(彼らが共演したら)僕らは泣いてしまうだろう。ピック&ロールで楽しめるかもしれない。でもダメだ。そんなのフェアじゃない。そんなのもう不正行為だろ。マジで不正行為さ。レブロンとステフのピック&ロールだろ。そんなのもう(ショットを)落としてくれるのを祈るしかない。あぁ神様、それはやめてくれ。不正行為なんだから」
ボールハンドラーをこなしつつ、オフボールでも十分脅威のレブロンとカリーが、NBAのコートで一緒にプレーするのはオールスターのようなお祭りであり、真剣勝負の場では信じがたい光景だろう。パリ五輪でも2メンゲームを展開した両選手は、NBA屈指のスーパースターだけに、「いつか同じNBAチームで優勝を目指してほしい」と願う気持ちもわからなくはないが、シャンパートにとってはあり得ない話のようで何度も「不正行為」と語っていた。
なお、今季レイカーズとウォリアーズは12月25日のクリスマスゲームを皮切りに計4試合が組まれている。互いをリスペクトするレブロンとカリーがコートで競演する4試合は必見のゲームになりそうだ。