<わたしたちと音楽 Vol.47>奥津マリリが語る、アイドルとして長く活動するための心のケアと自己肯定

<わたしたちと音楽 Vol.47>奥津マリリが語る、アイドルとして長く活動するための心のケアと自己肯定

シンガーソングライターからアイドルに転身し、現在9年目を迎える奥津マリリ(フィロソフィーのダンス)が、長くアイドルを続けるための秘訣について語った。彼女は、「無理をしないこと」が大切だと強調し、「相手に悪意がなくとも、心が疲れてしまったときや進みたい方向とは違う方向に進みそうになったときには、自分を大切にして『NO』が言える状態であるべき」と説明した。

過去にメンタルの調子を崩した経験がある奥津は、「そのときに一度立ち止まって、『自分が本当にやりたいことってなんだろう』と考えました。音楽を続けていくのが人生最大の目標だと決心がつきました。一番大切なことを決められたので、そのタイミングでアルバイトも全部やめて、その後のさまざまな選択の優先度が明確になりました」と振り返った。

また、エンタテインメント業界で活躍するアーティストやクリエイターを心と身体の両面からサポートするプロジェクト「B-side」について、奥津は「アーティストからすればすごくありがたいことですし、私たちを商品として消費するのではなく、人として大切にケアしてもらえるのは心強い」と話した。実際にカウンセリングを受けたこともある彼女は、「自分で話すことで頭の中が整理されて、『私はこれが嫌だったんだな』『これが不安なんだな』と、答えを見つけるための道をカウンセラーさんが整備してくれるような感覚でした」と述べ、「漠然としたモヤモヤがある人はカウンセリングを受ければ、こんがらがった紐を解いていくことの助けになると思います」と続けた。

「B-side」は、2021年9月からソニーミュージックグループ各社においてマネジメント契約のあるアーティスト、俳優、タレント、作家、およびこれらのクリエイターと直接仕事をするスタッフが、心身ともに健康な状態で創作活動に集中できるようにサポートすることを目的としてスタートしたプロジェクト。現在は「オンライン医療相談」「定期開催の体験カウンセリング」「専門家によるカウンセリング」「社内ワークショップ」を社内にて無償で提供しており、今後は音楽業界全体で利用できる仕組みとすべく徐々に準備が進められている。

今年の10月10日の世界メンタルヘルスデーには、#だれかとはなそう をキーワードにしたトークイベントの開催や、『B-side Talk』にゆかりのある方たちが #自分のトリセツ (セルフケア)を紹介する企画が実施された。

ポッドキャスト『B-side Talk ~心の健康ケアしてる?』は、2022年10月から配信が開始され、心と身体の状態に気を配り、自分自身を大切にしていくことの重要性を幅広い層に伝えることを目指している。MCにはタレント/コラムニストの小原ブラスと、フィロソフィーのダンスのメンバーである奥津マリリが迎えられ、毎回設けるテーマに詳しいゲストから、心と身体の健康に関する知識や情報を聞いている。10月10日の世界メンタルヘルスデーに合わせて配信された特別編では、山口一郎(サカナクション)と小森隼(GENERATIONS)のSP対談が行われた。