ブックオフ、内部不正で営業利益6800万円減少 横領や不正購入の被害総額5600万円 「目標達成」のための不正も
ブックオフグループホールディングスは10月15日、従業員による内部不正により営業利益が6800万円減少したことを発表した。同社は6月に従業員による架空買い取りや在庫の不適切な計上などの不正行為が発覚し、内部調査を進めていた。15日には、全172ページの特別調査委員会による調査報告書を公開し、不正の実態を伝えた。
調査の結果、全8件の「現金の横領や商品の内引き(着服)を伴う不正」が7店舗と1拠点で確認され、財務に6400万円の影響が出た。内訳としては、横領・内引き被害額が5600万円だった。これに加え、19店舗で21件の不正が見つかり、1700万円の財務影響が出た。
これらの不正により、2024年5月期決算の営業利益と経常利益は6800万円減少した。税金等調整前当期純利益は調査委員会費の損失5億5500万円も含めて、計6億1800万円減少した。同社は「株主・投資家の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心よりおわび申し上げます」と謝罪している。
組織的な内部不正の存在は認められず、全ての不正は個人の利得や数値目標達成などを目的にしたものだった。具体的な再発防止策や関係役職者の処分は11月上旬に公表予定だ。
同社が15日に公表した2024年5月期決算短信では、売上高は1116億5700万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は30億5100万円(同18.4%増)、経常利益は34億4800万円(同13.4%増)、純利益は17億500万円(同38.4%減)となった。