ジャニー喜多川の“アイドル帝国”とその影の真実:NHKスペシャルで明かされる衝撃の実態
1年前の9月、旧ジャニーズ事務所はジャニー喜多川氏の性加害を認め、「人類史上最も愚かな事件」と断罪した。被害を申告した人だけでも1000人にのぼり、加害は半世紀以上に渡って繰り返されていた。この事実が明らかになる前、ジャニー氏は卓越した才能で多くのタレントを世に送り出す一方、その影で犯罪行為を重ねていた。
NHKは、ジャニー氏のルーツや人となり、業界での歩みを深く知る人たちを1年以上かけて取材し、その実像を明らかにした。ジャニー氏が若かりし頃、アメリカ日系人社会でどのような経験を積み、ジャニーズ草創期にどのような活動をしていたのかが、貴重な証言から浮かび上がってきた。
また、ジャニー氏を支えてきた姉のメリー氏の存在も大きな役割を果たした。彼女の圧倒的な影響力のもと、事務所は性加害問題を長年見過ごし、沈黙を守ったメディアも少なからず影響を受けた。
NHKの特集では、ジャニー氏とメリー氏姉弟が「アイドル帝国」を築き上げる過程を丹念に取材。その実像に迫っている。
番組に出演したフォーリーブスの江木俊夫(72)は、ジャニー氏の印象について「マネジメント、プロデューサー、演出家、全部ジャニーさんが頭の中で描くその男の子の将来を描いちゃう。それが当たっているからすごいですよね。人を見る目が普通の人よりも10倍も20倍も肥えている」と語った。
また、ジャニー氏のマネジメント業への「モチベーション」についても言及し、「それはやっぱり今話題になっている、ジャニーズ事務所がこれだけクローズアップされた性被害ですよね。ジャニーさんの本能的な、男の子を見る目が普通の人と違うんでしょうね」と推察した。
インタビュアーから「その本能は切り離せないものだと考えますか?」と問われた江木は、「切り離せないんじゃないですか? 本能として男の子を好きだという本能と、男の子をエンターテイナーにする本能と、それが一致して初めてジャニー喜多川という人間じゃないんですか」と答えた。