「虎に翼」第127回:寅子の深き愛と美雪への真摯な対話が視聴者を感動

「虎に翼」第127回:寅子の深き愛と美雪への真摯な対話が視聴者を感動

NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第127回が9月24日に放送され、主演の伊藤沙莉さんが演じる寅子が、美雪(片岡凜さん)との面談でかけた言葉に視聴者の注目が集まった。

この回では、友人に売春と窃盗を強要した疑いで家裁に送致された美雪と、寅子が面談する場面が描かれた。美雪は「私がやりました」と罪を認めた後、「正直に答えたご褒美に、質問してもいいですか?」と切り出し、「どうして人を殺しちゃいけないの?」と寅子に問いかけた。この質問は、美雪の母親である美佐江(片岡凛さん一人二役)が過去に寅子にしたのと同じものだった。

寅子は、美雪の質問に真剣に答えた。「奪われた命は元に戻せない。死んだ相手とは言葉を交わすことも、触れ合うことも、何かを共有することも永久にできない。だから人は生きることに尊さを感じて、人を殺してはいけないと本能で理解している。それが長い間、考えてきた私なりの答えだ。理由が分からないからやっていいじゃなくて、分からないからこそやらない。奪う側にならない努力をすべきだと思う」と、深く考え抜いた答えを述べた。

しかし、美雪は突然ナイフをちらつかせ、母も自分も異質で特別で手に負えない、救うに値しない存在だと寅子を挑発した。寅子は「全く逆!」と語気を強め、「美佐江さんも美雪さんも特別だが、他の子どもたちも同様だ」と告げた。さらに、美佐江を恐ろしい存在と思ったことが過ちだったと反省し、「私は美佐江さんに対して全てを間違えた。もっと話をすべきだった。彼女が分からないなら、黙って寄り添うべきだった」と後悔の言葉を口にした。

そして、美雪に歩み寄り、「私もう、こんなこと繰り返したくない。あなたのことは諦めたくないの。あなたはお母さんをまねしなくていい」「お母さんのこと嫌いでも好きでもいい。親にとらわれ、縛られ続ける必要はないの。どんなあなたでいたいか考えて教えてほしいの」と、心からの言葉をかけた。

美雪は「つまらない。そんなのつまらない。そんなのありきたり! そんな私じゃダメなんです!」と声を荒らげた。しかし、寅子は「どんなあなたでも、私はなんだっていい! どんなあなたでも、どんなありきたりな話でも聞くわ。だから……話しましょう。何度でも」と、美雪を説得した。

この面談シーンは冒頭から約8分にわたって描かれ、寅子の言葉に多くの視聴者が感動した。SNSでは、「過去の過ちを謝罪し、真っ向から美雪に向かう寅子……かっこいい」「愛の深さに思わず涙が出てしまった」「何度も話し、寄り添う。美佐江から美雪に繋がった一連の出来事に対して出した寅子の答え」「愛する人を失ってきた寅子が言うと説得力があって泣けた」といった感想が寄せられた。

この回は、寅子の深い愛情と、過去の過ちから学んだ教訓が美雪へのアプローチに生かされていることを示し、視聴者に強い印象を与えた。寅子の言葉は、美雪の心に届いたのか、今後の展開が注目される。