慶應義塾大学・清原正吾、東京六大学野球秋季リーグ戦で活躍、プロ入りへの道

慶應義塾大学・清原正吾、東京六大学野球秋季リーグ戦で活躍、プロ入りへの道

慶大の清原正吾、東京六大学野球秋季リーグ戦で活躍

9月14日から開幕した東京六大学野球秋季リーグ戦で、慶應義塾大学の清原正吾が注目を集めている。清原は、プロ野球通算525本塁打を記録した清原和博氏の息子として知られる。立教大学との3連戦では「4番・一塁」でスタメン起用され、3試合で13打数2安打の成績を残した。慶應義塾大学は1勝2敗で勝ち点を落としたが、清原の活躍は今後のドラフトに向けて重要なアピールの場となった。

プロ志望届提出と大学最後のリーグ戦

清原は9月12日にプロ志望届を提出。大学最後のリーグ戦が10月のドラフトに向けて重要な舞台となる。3年終了時点では5試合出場で9打数1安打と目立った成績を残せなかったが、1学年上の主力選手たちが大量に抜けた新チームで4番に抜擢され、今春のリーグ戦では13試合出場で打率.269、7打点を記録。本塁打は打てなかったが、一塁のベストナインに選ばれた。8月31日のプロアマ交流戦では、東京六大学選抜として日本ハム2軍戦(エスコンフィールド)で本塁打を放つなど、着実に成長している。

立教大学戦での活躍

立教大学戦では、清原の引っ張りの打球が多いため、立教大学は二塁手が二塁ベース近く、遊撃が三塁寄りにポジションを取る「清原シフト」を敷いた。16日の3戦目では、1回2死三塁でセンターに抜けたかという打球を放ったが、この守備網にかかり二塁ゴロに。しかし、やられっぱなしでは終わらない。4回2死で外角のカーブに反応し、内野陣の頭上を超えてワンバウンドで左翼フェンスに届く二塁打を放った。

スポーツ紙デスクの分析

「これから対戦する大学も清原シフトを敷く可能性が考えられますが、気にする必要はないと思います。豪快に引っ張るスタイルが持ち味ですし、外野の頭を越せばシフトは関係ないですから。立教大学のバッテリーは清原に対して内角に速い球、外角に変化球の配球を徹底していた。内角はうまくさばけるようになっているので、ストライクからボールになる外角の変化球にどれだけ我慢できるかがポイントになる」(スポーツ紙デスク)

親子鷹の先輩、長嶋一茂氏との共通点

ドラフト指名された親子鷹といえば、長嶋茂雄氏の長男・一茂氏(現タレント)が有名だ。一茂氏は立教大学で六大学リーグ通算101試合出場、打率.225、11本塁打、54打点をマーク。ドラフト1位でヤクルトに入団した。一茂氏は中学時代の3年間は野球から離れていた異色の経歴だが、清原も中学でバレーボール、高校でアメリカンフットボールに所属した。並外れた身体能力を持つ点でも共通している。

スポーツ紙記者の見解

「一茂さんは粗削りだったが、落合博満さんが認めるほどの才能を持っていた。清原はまだこれからの選手。ドラフトでは6位以下か、育成枠での指名が現実的でしょう。長距離打者としてじっくり育てる観点から見ると西武、ソフトバンクが合うと思います」(スポーツ紙記者)

スケールの大きな選手をほしがる西武

今季の最下位が確定した西武は、生え抜きの野手を育成する必要に迫られている。今季は貧打に苦しみ、2ケタ本塁打をマークした選手がゼロ。中村剛也、佐藤龍世の7本塁打がチーム最多だ。ドラフト1位で入団し、大砲として期待された大卒4年目の渡部健人は今季11試合出場で打率.030、0本塁打、0打点と結果を残せていない。中・長期的なビジョンで右の長距離砲は必要だ。

「西武は多少粗削りでも、スケールが大きい選手を獲得する傾向があります。昨年ドラフト6位で指名した村田怜音はその典型的な例です。皇學館大(三重県)で大学通算25本塁打を放ったスラッガーですが、全国的に無名のリーグで投手のレベルが高いとは言えない。2、3年後の一本立ちが期待されましたが、3軍スタートの春季キャンプからはいあがり、ファームで打率.348、2本塁打と好成績を残して、1年目から1軍で4試合に出場しました。清原も長距離砲として大きな伸びしろを感じると球団が判断したなら、指名を検討すると思います」(西武OB)

父の清原和博氏との縁

父の清原和博氏は西武でプロ野球人生をスタートし、1年目で打率3割、30本塁打をマーク。高卒新人の歴代最高成績を残し、新人王を受賞した。長男の清原が西武に入団すれば、新たなストーリーが生まれる。ファンは心を躍らせるだろう。

育成枠で大量指名をするソフトバンク

ソフトバンクは12球団で唯一の4軍制を敷き、ドラフトで育成選手を例年大量に指名している。育成枠で21年、22年はいずれも14人、昨秋のドラフトでも8人を指名。アマチュア時代に目立った実績がなくても、潜在能力の高さを評価されて獲得した選手もいる。今年4年ぶりのリーグ優勝に貢献した甲斐拓也、周東佑京、牧原大成、大関友久、石川柊太ら主力選手のほか、1軍で頭角を現した川村友斗、緒方理貢、石塚綜一郎、仲田慶介、尾形崇斗は育成出身だ。施設面を含めて野球に打ち込む環境が充実しており、「金の卵」たちの才能が次々に開花している。もちろん、激しい競争を勝ち抜いて1軍の舞台に立つ選手は一握りだ。実戦経験を積んで、清原が2、3年後に大成する可能性を秘めているか。ソフトバンクの評価が気になるところだ。

右のスラッガーがほしい巨人

父・和博氏が活躍した巨人も、育成選手を多く指名することで知られる。清原を指名する可能性はあるだろうか。

「支配下枠では考えづらいですが、育成枠ならあると思います。恵まれた体格から力強い打球を飛ばす姿はお父さんと重なります。3軍、2軍で実戦経験を積んで大化けすれば、浅野翔吾と共に未来のクリーンアップを担う夢を描ける。4番の岡本和真が数年以内にメジャーに挑戦する可能性がありますし、右のスラッガーの育成は重点を置いています」(巨人を取材するテレビ関係者)

プロの評価を上げられるか

プロの評価を上げられるかは、清原の実力次第だ。今秋のリーグ戦。バックネット裏で視察するスカウトの目に留まる活躍を見せられるか。