2023年メディア対抗ロードスター4時間耐久レース:新たな挑戦と反省
メディア対抗ロードスター4時間耐久レース2023
今年もメディア対抗ロードスター4時間耐久レースの季節が訪れました。1989年に初代NAロードスターが誕生して以来、現行のNDに至るまで4代35年にわたるメディア対抗4時間耐久レースが、最も長く続くワンメイクレースとしてギネスに認定される重要な1戦となっています。
特に今年のNDロードスターは2023年10月に大幅改良が発表され、2024年に発売された新型モデルとなりました。グレードはモータースポーツベース車のNR-Aに統一され、カーボンニュートラル燃料が初めて使用されるなど、節目の年となっています。
新しいレースカーの特徴
新しいレースカーはエアコン、ADAS系、助手席も装備したパーティレース仕様と共通です。これまでの車両よりも約70kgほど重くなっています。初めて使用されるカーボンニュートラル燃料の燃費は、これまでのデータを引き継げるかどうか不明です。
チームメイトと予選
今年のチームメイトは、Car Watchの小林編集長、パーティレース出身のISHIKAWAさんと石川琢也さん、そしてe-Motorsportsの世界で超有名な川上奏さんです。予選はISHIKAWAさん、石川琢也さん、川上奏さんが担当できず、小林編集長が固辞したため、私が予選を担当することになりました。予選アタックは年イチレーサーには荷が重く、前日に走った印象では迷うことが多かったです。
エンジンのパワーが出るのは最初の3周程度と聞いており、タイヤも温度上昇中が最もタイムが出やすいと感じました。しかし、思うようにタイムが上がらず、感覚がずれていました。結局、15番手に落ち着きました。出走は20台なので、グリッドは後ろから数えた方が早いです。耐久レースでも予選は重要ですが、悔しい結果となりました。
レースの展開
曇り空の中、16時7分にスタートフラッグが振られました。スターターの小林編集長はペースよく、燃費を保ちながら順位を少しずつ上げていきました。2023年のレースでコツをつかみ、今年は3ワイドになっても屈しない走りを披露しました。
50分を消化して私にバトンタッチ。しかし、無線のコネクトに失敗し、交信不能のままピットアウトしました。無線がないと情報が入らず、ペースや順位が分かりません。CN燃料の使用量は60Lで、燃費よく早いラップを刻むことが重要です。事前の情報では5000rpm以上で燃費が悪化するため、ラップタイムは不明でしたが、燃費計を目安として走ることにしました。引っ張りで5500rpmシフトとしたが、燃費が落ちると5000rpmシフトにして5速まで入れることもありました。
DSCの問題
なぜか切ってあるはずのDSCが効いて減速してしまうことがありました。メーター上にTRACKモードが点灯して走りやすくなることに気づき、DSCのOFFスイッチを手探りで押しました。TRACKモードに切り替えると、走りやすさが格段に向上しました。後で聞くと、他のドライバーも「TRACKモードに助けられた」とコメントしており、特にウェットコンディションで効果絶大だったそうです。
ピットインとドライバー交代
ヒヤヒヤしながら時計を見る回数が増えた頃、ピットから「帰ってこい!」の合図を受けました。各ドライバーの走行時間はペナルティの対象になるため、大切な時間管理が必要です。途中で他車にグラベルに押し出されることもありましたが、状況から7~8番手でバトンをつなぐことができました。
石川さんと川上さんの活躍
石川琢也さんとISHIKAWAさんはウェットコンディションの中、燃費を重視しながら安定したペースで走り抜き、アンカーの川上さんにバトンを託しました。川上さんは夜間のウェットコンディションでの走行が初めてでしたが、e-Motorsportsの第一人者らしく、燃料警告灯が点滅する中でもペースを落とさず、他車が燃料切れで停車する中、7位でチェッカーを受けました。
川上さんのドライビングテクニック
川上さんに聞くと、e-Motorsportsではステアリングワークはジワリとユックリ操舵するのが鉄則だそうです。実車でも同じで、むしろ丁寧な操舵が重要だと感じました。ビックリしました。
反省点
終わってみれば、自分の反省点はたくさんあります。予選の走り方はアマチュアレベルで、多くのクルマを置いたことでトラフィックの中でタイムロスをさせてしまいました。DSCの件は全く言い訳できません。固定概念は抜けないものですが、早く操作すればよかったと思います。もう少し順位を上げられたかもしれません。走らせ方も予選同様にアマチュアでした。
結果と感謝
ベストカーが念願の優勝を果たし、おめでとうございます。また、マツダの毛籠社長はじめ役員チームは忖度などするチームは1つもなく、4位入賞は素晴らしい結果です。
このロードスター耐久レースが業界に与えた影響は計り知れないほど大きいと思います。Car Watchの日下部保雄さん、ありがとうございました。
結論
毎年反省することばかりですが、ロードスターのドライビングは本当に楽しいです。来年もまた、このレースに参加したいと思います。