劇団「コンプソンズ」の新作『ビッグ虚無』:旗揚げから現在まで、そして未来へ

劇団「コンプソンズ」の新作『ビッグ虚無』:旗揚げから現在まで、そして未来へ

劇団「コンプソンズ」は、2016年に明治大学の実験劇場のメンバーを中心に旗揚げされました。金子鈴幸と星野花菜里が中心となり、演劇的イリュージョンとナンセンスなギャグを交えつつ、実在の出来事を題材に鋭い視点で「時代」を描く劇団として知られています。現在、劇団員は金子鈴幸、星野花菜里、細井じゅん、大宮二郎、宝保里実、鈴木啓佑、金田陸の7名で構成されています。

2020年のコロナ禍では、多くの公演が中止となり、劇団員たちは大きな打撃を受けました。しかし、2022年の佐藤佐吉演劇祭では、金子鈴幸に代わって細井じゅん、宝保里実、鈴木啓佑、大宮二郎がそれぞれ短編作品の作・演出を務め、それぞれの個性が光る作品を上演しました。この経験は、劇団員同士の理解を深める良い機会となりました。

2022年の#10『われらの狂気を生き延びる道を教えてください』は、株式会社レプロエンタテインメントの協力のもと、浅草九劇で半商業的に公演され、コンプソンズの新たな一歩を示す作品となりました。2023年の#11『愛について語るときは静かにしてくれ』は、岸田國士戯曲賞の最終候補作品にノミネートされ、注目を集めました。

2024年10月16日から20日にかけて、東京・駅前劇場で新作『ビッグ虚無』が上演されます。金子鈴幸は、過去作を入念に読み返しながら作品をつくり、コンプソンズらしさが存分に味わえる作品に仕上げました。また、劇団員のほか、コンプソンズゆかりの客演も出演し、その演技にも注目が集まっています。岸田國士戯曲賞へのノミネートをきっかけにコンプソンズを知った方々にも楽しんでもらえる公演を目指しています。ご来場をお待ちしています。