【菊地敏幸連載#50】1989年ドラフト:野茂英雄、新庄剛志らが揃った黄金期とその逸話
野茂英雄は1989年のドラフトで史上最多の8球団(近鉄、オリックス、日本ハム、ロッテ、横浜大洋、阪神、ヤクルト、ダイエー)が競合し、抽選の末に近鉄が交渉権を得て入団した。この年は野茂の他にも、横浜大洋の佐々木主浩、広島の佐々岡真司、ロッテの小宮山悟、西武の潮崎哲也など、多くの有望な選手が1位指名を受けた。
2位以下でも、ヤクルトの古田敦也、日本ハムの岩本勉、近鉄の石井浩郎、広島の前田智徳、阪神の新庄剛志など、後にスーパースターとなる選手が多数指名された。この年は野茂、佐々木、新庄、小宮山の4人がメジャーリーガーとなり、現代野球の象徴的なドラフト年となった。
また、ダイエーから1位指名を受けた元木大介は入団を拒否し、翌年に巨人に入団するなど、話題の多いドラフト年でもあった。当時のスカウトとして、菊地敏幸はこの年が最も印象に残っていると語り、即戦力の投手が10人以上いたことを強調している。