「アイフレイル」警戒!老化による目のかすみ、疲れを無視せずに早期対策を

「アイフレイル」警戒!老化による目のかすみ、疲れを無視せずに早期対策を

アイフレイルのチェックリストには、目が見えにくくなったり、疲れやすくなったりする症状が含まれています。これらの症状を「老化だから」と納得せず、病気のサインと捉えることが大切です。日本眼科学会や日本眼科医会などで構成される「日本眼科啓発会議」が「アイフレイル」を定義し、注意を呼びかけています。10月10日は「目の愛護デー」です。

フレイルは、「要介護」の前段階の「虚弱」の状態を指し、この時点で運動や栄養などの対策を講じ、身体機能を維持することが重要です。目についても、衰えを早期に察知し、機能を維持することが大切です。

同会議が今年7月に40歳以上の約1万2千人を対象に実施したウェブ調査では、「健康面で不自由を感じていること」について尋ねたところ、「目(視覚)に関すること」が42.5%で最多でした。一方、目の検査やケアを受けている人は22.8%にとどまっています。

アイフレイルに詳しい杏林大学の山田昌和教授(眼科学)は、「もっと早く受診していたら、治療で進行を遅らせることができたのに、と思うケースは多くあります」と述べています。

例えば、視野が欠けて見える「緑内障」は50歳以上で発症することが多いですが、視覚障害に至るまでには10~20年かかることがあります。早期に受診すれば、目薬などの治療で目の機能を維持することが可能です。

目の病気は、直接命にかかわらなくても、生活の質(QOL)を低下させます。車の運転が難しくなり、活動範囲が狭まり、家に閉じこもりがちになることがあります。このような日常生活の制限が、身体機能の衰えにつながり、要介護状態へと至る可能性があります。アイフレイルを提唱する大きな理由は、このような状態になる人を一人でも減らすことです。

また、視力の悪い人は、視力の良い人と比べてうつ症状のリスクが高いという研究報告もあります。また、高齢者に多く、ものがぼやけて見えるなどの症状がある「白内障」の手術後、認知症やうつのスコアが改善したという研究もあります。