WEリーグの存続を懸け、野々村&宮本の新体制が挑む2年間…低空飛行のリーグに光を

WEリーグの存続を懸け、野々村&宮本の新体制が挑む2年間…低空飛行のリーグに光を

サッカー女子「WEリーグ」の新しい役員人事が発表され、驚きの声が上がっている。3代目チェアにJリーグの野々村芳和チェアマン(52)、副理事長に日本サッカー協会の宮本恒靖会長(47)が就任した。両者は非常勤で務める。

WEリーグは2021年9月に誕生したが、低空飛行が続いている。平均観客数は創設期から1560人、1401人、1723人と伸び悩んでおり、当初の「1試合5000人規模、10年で1万人」という目標は遠い。リーグの財政基盤も脆弱で、日本協会の年間4億2500万円の補助金に依存している。クラブの経営も厳しい状況が続いており、ある関係者は「赤字が当然で、男子のように興行として成り立つ未来は見えない」と述べている。

一方、WEリーグは女性が活躍する社会の実現や発展を理念に掲げているが、女性理事の割合は前体制の47%から33%に低下し、スポーツ庁の競技団体運営指針で定める40%を下回った。これに対し、スポーツにおける女性の機会向上を求める団体「ウィメン・スポーツ・インターナショナル(WSI)」は「3人の女性幹部が3人の男性幹部に置き換えられた決定を憂慮している」と声明を発表した。

しかし、日本サッカー界の「2トップ」が難局の舵を握るのは、WEリーグを存続させるための重要な一歩だ。Jリーグと日本協会が協力し、抜本的な大改革を断行する方針である。野々村チェアは「非常に難しいミッション」としながらも、男女のリーグを一体的にセールスすることで広告やスポンサーを獲得し、「収益を上げ、足りない部分は十分埋められる」と意気込んでいる。

多くの難題が山積しているが、野々村と宮本の体制が状況を改善できれば、WEリーグは新たな価値を日本サッカー界にもたらす可能性がある。存亡の危機にあるWEリーグとクラブ、そして日本サッカー界にとって、今後2年は正念場となる。