伊藤万理華、『チャチャ』で自由奔放なデザイナー役に挑戦。自らの内面を掘り下げる
伊藤万理華が主演を務める映画『チャチャ』(10月11日公開)は、自由奔放に生きる主人公チャチャのスリリングな恋愛を描いた作品だ。チャチャは、野良猫のように自由に生きるデザイナーで、偶然出会った謎めいた青年楽(中川大志)に惹かれて自宅に転がり込む。しかし、楽との片思いは手応えなく、さらに彼の恐るべき秘密を知ることになる。
伊藤万理華は、この役を演じることで自分自身を認めることにもつながったと語る。撮影中、監督から「何かが違う」と指摘され、自分らしさを追求する過程で多くの挑戦があった。最終的には、監督との対話を通じて表情や声色を徹底的に直し、過去の演技方法を一新した。
チャチャのファッションは、ガーリーながらどこか尖った特徴がある。衣装デザイナーの小泉美智子と共に、チャチャのキャラクター像を確認しながら、新しいスタイルを目指した。足元はゴツめだが歩きやすいブーツで、チャチャの空気感を表現している。劇中では、チャチャの独特なファッションが同僚から陰口をたたかれる場面もあるが、伊藤はチャチャの美学を表現することに成功した。
伊藤は、チャチャという役を通じて、自分自身の内面を掘り下げ、自己認識を深めたと語る。彼女自身も、昔から周りと波長が合わない経験があり、チャチャの物語に共感できた。チャチャの繊細な心や傷ついた様子を表現することは、自分と同じような境遇の人々にとって救いになると考えている。
監督の酒井麻衣は、『美しい彼』シリーズなどで知られる人物で、キラキラとしたガーリーな世界観と、少し毒のある雰囲気を得意としている。伊藤は、純粋な明るさと危険な毒が共存する人物に惹かれるという。
伊藤は、クリエイターとの対話を通じて作品の理解を深め、仲間意識を育むことができると語る。乃木坂46所属時から、クリエイターとの交流を通じて作るプロセスを楽しむことを学び、それが役者としての生きがいになっている。撮影中は、スタッフとの会話や作品への理解が深まり、純粋に作ることが大好きで集まった人々の姿に感動するという。
『チャチャ』は、デザイナーとして働くチャチャが、楽との出会いを通じて成長していく物語だ。チャチャは、楽の自宅で手料理を振る舞ってもらい、次第に彼に惹かれていく。しかし、楽には思いもよらない秘密が隠されており、二人の関係は複雑な展開を迎える。
伊藤万理華は、1996年生まれの大阪府出身で、映画『サマーフィルムにのって』やドラマ『お耳に合いましたら。』などに出演。2024年11月15日には映画『オアシス』、2025年1月17日には映画『港に灯がともる』の公開が予定されている。