NHKドラマ『虎に翼』松山ケンイチの細部に至るまで描かれる最高裁判所長官の役柄
NHKドラマ『虎に翼』で、松山ケンイチが演じる最高裁判所第5代長官・桂場等一郎の微細な動作が注目を集めています。桂場は長官室にいるとき、細かな動きを繰り返し、特に他の役職を務めていた頃よりもその動きが洗練されています。
ドラマの第25週第122回では、主人公の佐田寅子(伊藤沙莉)が長官室に入り、桂場に「純度の低い正論は響きません」と言い放ちます。寅子の声は少し震え、桂場は鋭い視線で「なに」と低く問い返します。このシーンでは、二人が対峙する際のパターンが見られます。最初は一定の距離を保ち、緊張感が漂います。その後、寅子が桂場に近づくのがお決まりの展開です。
桂場がひとりでいるときの動作も特徴的です。例えば、第20週第97回では、新潟から東京に戻ってきた寅子に「早く行け」と言いながら、右手のジェスチャーをします。この動きとカメラワークが見事に連動しています。また、第22週第108回では、寅子が女性法曹の労働環境に関する意見書を提出し、桂場が静止した後に手をそろりと戻す場面があります。
さらに、航一が長官室で尊属殺の重罰規定の再審議を主張した際、桂場は「時期尚早だ」と言います。航一は一時的に退室しようとした後、再び長官室に戻り、書類を机に叩きつけて反発します。その瞬間、桂場は航一を抱き止め、鼻血を出した航一を膝枕で支えます。この珍事により、桂場の微細な動作が完全に封じ込められた瞬間となりました。